もう一つの視点

真理は少数から始まる

有力だが未確定-宇宙物理学に必要な謙虚さ

 ビッグバンなど、宇宙物理学の理論は現時点での有力説であって、まだ確定したものではない。宇宙物理学者は、他の説を次々に否定するのではなく、謙虚に、そして正確に「未確定である」、「まだわからない」と認める姿勢が必要であろう。宇宙の根本的な理解は理論だけでは不確かであり、最終的には観測や実験装置によって事実を確かめなければならない。

 そこで、未来に事実を検証するためには、どのような装置が必要かを今から考え、開発の方向性を定めておくことが重要となる。現代の宇宙物理学の理論は、たとえ仮説や「その先のことはわかりません(ビッグバン以前の空間のない状態など)」ばかりであっても、あるいは根本から発想が間違っていたとしても、装置開発の道しるべとなり、やがて事実を明らかにする基盤を築く。目的を300年後の装置の開発に置いて考えれば、一見無意味な現代の宇宙物理学にも役目が見えてくる。

 宇宙物理学が、想像に頼り、未熟な科学による部分的な検証ばかりでも、続ける価値はあるのだろう。