もう一つの視点

真理は少数から始まる

親しさは外交の弱さか武器か

 高市首相がトランプ氏との会談で見せた親しげな振る舞いをめぐり、蓮舫氏が「演出ではなく信頼で成り立つ政治を」と批判した。確かに、国家の代表としての威厳や対等性を欠いた印象は否めない。外交儀礼の観点から見れば、首脳同士の過度な身体的接触や感情的な演出は、相手への迎合と受け取られかねない。

 しかし、政治は理念だけで動かない。トランプ氏のように個人的な感情を重んじる指導者を相手にする場合、一定の演出は戦略でもある。形式を守るだけでは関係を築けず、柔軟な姿勢が実利をもたらすこともある。もしこの「親しさ」が安全保障や経済で日本の利益に結びつくなら、軽率どころか現実的な外交判断と言えるだろう。

 重要なのは、形式か演出かではなく、結果として何を得たかである。強く出るべき国に対しては強く、信頼を重んじる国に対しては心を開いて誠実に。現実の力学を読み取り実行できる能力は、首相として重要であろう。