日本の大学評価は、長年「偏差値」と「社会的イメージ」に支配されてきた。東京大学(東大)はその象徴的存在として、常に「日本一の大学」として扱われてきたが、それは歴史的な権威と偏差値によって優秀な人材が集まりやすい構造に支えられている面がある。
もちろん東大が高い研究成果を上げ、質の高い教育を提供していることは否定できない。それ自体が大学の実力であることも確かだ。しかし、偏差値やブランドによって人材が集中する構造が、その実力をさらに強化していることも事実である。
一方で、たとえば東北大学のように、国際卓越研究大学に指定され、教育の質で世界ランキング国内1位になる大学がある。こうした大学は、教育・研究の質において現在の実力を示すだけでなく、今後の発展にも大きな期待が寄せられている。にもかかわらず、世間の評価は依然として偏差値やイメージに引きずられ、「東大が一番」という固定観念が根強く残っている。
このような評価軸では、偏差値の低い大学はどれほど努力しても見下されてしまう。それは、学びの多様性や教育・研究の可能性を否定するものであり、極めて不健全な構造である。
だからこそ、大学を評価する視点を見直さなければいけない。過去の蓄積や偏差値、社会のイメージではなく、教育の付加価値、研究の質、社会への貢献といった実質的な力に基づいて、大学を公平に評価すること。それが、すべての大学が正当に認められ、未来に向けて成長できる社会をつくる第一歩となる。