アメリカなどの海外では、大人でも科学的にありえない宗教上の神話や奇跡を、本気で事実だと信じている場合がある。日本人からすると信じがたい話だが、彼らにとっては幼い頃から家族や仲間に囲まれて育んできた「絶対に揺るがない世界の真」なのである。
この「自分が信じたいことを事実だと思い込む力」は、実は世界のリーダーたちの外交にも、そのまま現れている。海外の首脳が、客観的に嘘だとわかるようなことを堂々と言えるのは、実は「嘘をついている」という自覚がほとんどないからである。彼らは自分の国や立場にとって都合の良い物語を、心の底から「これこれが正義であり事実だ」と信じ込んでいる。
これはロシアや中国も同じで、彼らの場合は神様ではなく、「自分の国が一番正しい」という強烈な思い込みがベースになっている。彼らにとって嘘は国を守るための正しい道具であり、何度も言い続けることで「失われた正義」を取り戻そうとする。自分なりの歪んだ正義を実現するために、彼らは必死なのである。
日本人は、「証拠やデータ」などの事実、真実を重視するが、世界を動かしているリーダーたちは、自分の都合に合わせて「自分だけの真実」を作り出すとても主観的なルールの中で生きている。
こうした相手に正論を聞かせても、議論が噛み合うはずもない。これからの私たちは、相手がどんな「自分勝手な物語」を信じ込んでいるのかを冷静に見極め、したたかに付き合っていく必要がある。
皆さんはニュースを見て、「なんでこの人はこんな嘘を堂々と言えるのだろうか」と不思議に思ったことはないだろうか。