「みんなで大家さん」を巡る問題は、かつての豊田商事事件を上回る4000億円規模の、戦後最大級の投資被害である。国が許可した制度を隠れ蓑に、実態の乏しい成田開発を餌にして高齢者から巨額の資金を集めた。その実態は、新規投資家の資金を配当に回す「ポンジ・スキーム」の疑いが強い。
国土交通省や金融庁は、15年もの間、異常な利回りや広告を放置し、お墨付きを与え続けた。この不作為の罪は極めて重い。行政処分を前に資産を隠匿して「逃げ得」を狙う会社側に対し、国が解散命令を躊躇するのは、自らの監督責任追及を恐れているからであろう。
金融とは関係のない自衛隊出身の怪しい代表以上に、癒着した政治家や官僚の責任は重大である。単なる税金による救済ではなく、責任者個人の資産まで遡って追及する仕組み作りが急務である。
現在、国交省は規制強化を検討中だが、施行まで2年かかる見通しだ。しかし、2025年末時点で口座残高が集金額の0.01%以下に枯渇している事実は、法改正を待たずして「計画的破綻」が完了しつつあることを示唆している。同様の「怪しいファンド」が規制前に駆け込みで集金し、直前に破綻させるのは常套手段である。
老後のための数千万を失えば、人生は終わってしまう。国は直ちに、現行法下での「資産凍結」と「保全処分」を急がねばならない。また、広告塔となった政治家を「行政の癒着」として公に引きずり出し、個人資産で補償させる手続きが必要である。
補償の原資に、国民の税金のみを充てることは許されない。多額の広告収益を得ながら宣伝を担ったマスコミや、手数料を得ていた証券会社・銀行は、被害者の資金から利益を得ていた「受益者」である。 危険性を察知しながら黙認したこれら企業も、相応の補償責任を負う対象となり得る。
とにかく、二度と老後の資金を奪われないよう、実効性のある法改正とシステム構築が急がれる。