もう一つの視点

真理は少数から始まる

日本でヒッチハイクは馴染まない

 来日した外国人がヒッチハイクで日本を縦断する様子が、テレビ番組で放送されることがある。諸外国の習慣はわからないが、日本ではヒッチハイクという手法は馴染まないように思う。

 見知らぬ人が道端で親指を立てていても、積極的に「乗せてあげよう」と考える日本人は決して多くないだろう。番組を見ても、足を止める人は「困っていそうだ」「放っておけない」という同情心や親切心から手を差し伸べているにすぎない。

 しかし、多くのヒッチハイカーは予期せぬトラブルで困っているわけではない。最初から「他人の善意」を移動手段として計算に入れ、計画的に行動している。日本人は困っている人を助けることにやぶさかではないが、その厚意を最初から「無料のサービス」のように当てにする振る舞いには、強い違和感を抱く。

 中には、日本人の助け合いの精神を背景に、移動だけでなく宿泊や食事まで提供され、丁寧にお礼を言って去っていく者もいる。しかし、それすら計画の一部だとしたら、低姿勢を装った不誠実な行為であり、まさに「慇懃無礼」と言わざるを得ない。

 旅の途中で真に困り、一度だけ助けを求めるなら理解もできる。しかし、最初から最後まで他人の善意を利用して旅をしようとする姿勢は、助け合いを重んじる日本において、極めて不適切で身勝手な行動に感じられるのである。