熊本での大地震を受けて非常災害対策本部が設置され、高市首相が用意された原稿を読み上げていた。その様子を見て、原稿をそのまま読むだけであれば、首相本人が読み上げる必要があるのだろうかと感じた。原稿を書いたのが誰かは分からないが、その執筆者や、聞き取りやすく伝えることに長けたアナウンサーが代読しても、実務上は支障がないようにも思える。
広島の平和記念式典では、小学生が数分間、原稿を見ることなく参列者のほうを見ながら堂々と話していた。その後、首相は終始原稿を読み上げていた。今では小学生でも全校児童の前で原稿を見ずに発表する機会は珍しくない。聞き手を見ずに下手に読み続けるくらいなら、いっそ代読という方法もあってよいのではないだろうか。
「首相が話すからこそ説得力がある」という考え方もあるだろう。しかし、他人が書いた原稿を首相が終始たどたどしく音読するよりも、内容を正確かつ表現力豊かに伝えられる人が読んだほうが、かえって伝わりやすく、説得力も増す場合がある。
また、首相の睡眠時間は3時間ほどだとされている。しかし、不要な業務や非効率な作業は見直し、十分な睡眠時間を確保すべきであろう。大規模災害が続いたり、ほかの緊急事態が発生したりして、数日間ほとんど眠れない状況になれば、判断力が低下するおそれがある。国を預かり、常に的確な判断が求められる立場だからこそ、日頃から少なくとも5時間以上の睡眠は確保したほうがよい。
首相の話力や表現力が劣るのであれば、馬車馬のように働いて何でも自分でやってしまうのではなく、自身の得意分野で力を発揮すればよい。