もう一つの視点

真理は少数から始まる

2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

残念なGIGAスクール構想(後編)―知的蓄積は今どこへ

日本の教育は、GIGAスクール構想の推進によって大きな転換点を迎えている。全国の小中学校に一人一台の端末が配備され、校舎には高速ネットワークが整備された。教育のデジタル化は、表面的には「未来志向の改革」として歓迎されているが、その実態は、教育…

残念なGIGAスクール構想(前編)―世界の潮流に逆行

日本が進めるGIGAスクール構想は、全国の児童生徒に一人一台の端末を配備し、ICTを活用した教育を推進するという壮大な計画である。だが、この構想が「教育の未来を開く鍵」として語られる一方で、30年ほど前からICT教育が進められてきた世界の教育先進国が…

正義が勝てない世界で、信頼と責任による秩序を-G10 Compact

世界は今、正義が勝てない構造に直面している。ロシアは武力で、アメリカは制度内から、そして中国は経済圧力で、国際秩序を自国の都合でねじ曲げようとしている。これら三大国に共通するのは、他国を犠牲にしてでも自国の利益を最優先するという姿勢であり…

政権交代なき国-政治の不安定はなぜ続く

日本の政治が安定しない理由は、政党の数や政策の違いにあるのではない。根底には、言葉の空洞化と、それを助長する報道構造、そして有権者の判断力の揺らぎがある。野党は分裂を繰り返し、新興政党がなりふり構わず議員数を伸ばそうとする。理念や責任より…

意見は不完全、ゆえに謙虚さを

自己の意見形成の場では、必ずしも理想的に考えられるわけではない。私たちは日々、限られた情報や限られた経験をもとに理解を組み立てるしかなく、そこに捻じ曲げられた情報やニセ情報が入り込むことも少なくない。完全に客観的で公平な意見を形成すること…

医師という前に社会人であれ

私の経験では、医師の多くが年上の患者に対してもため口で話す。とくに中規模病院の医師や大学病院の若手医師にその傾向が強い。敬語を使う医師であっても、自分のペースで短く説明して終わらせたり、質問しづらい雰囲気をつくったりと、高圧的な態度が目立…

「適法」の影で責任は消えたか

今、わが国の政治資金を巡る問題に対し、多くの国民が「モヤモヤ」とした違和感を抱いている。その違和感の根源は、政治家が主張する「法的には問題ない」という「適法性の論理」と、国民が求める「政治家として許されるのか」という「倫理性の要求」との間…

大学評価軸の再考

日本の大学評価は、長年「偏差値」と「社会的イメージ」に支配されてきた。東京大学(東大)はその象徴的存在として、常に「日本一の大学」として扱われてきたが、それは歴史的な権威と偏差値によって優秀な人材が集まりやすい構造に支えられている面がある…

「説明責任」という名の責任逃れ

政治家による不適切な言動が報じられるたびに、「説明責任」という言葉が繰り返されるようになった。本来あまり耳慣れなかったはずのこの言葉は、むしろ政治家自身が都合よく使い、広めてきたものではないだろうか。「説明」の名のもとに語られるものは、自…

親しさは外交の弱さか武器か

高市首相がトランプ氏との会談で見せた親しげな振る舞いをめぐり、蓮舫氏が「演出ではなく信頼で成り立つ政治を」と批判した。確かに、国家の代表としての威厳や対等性を欠いた印象は否めない。外交儀礼の観点から見れば、首脳同士の過度な身体的接触や感情…

大試合での大谷選手は諸刃の剣

2025年ワールドシリーズにおけるドジャースの連覇は、劇的な結末を迎えた。しかし、この勝利が本当に実力で勝ち取られたものかという疑問は根強く残る。この優勝は、地力で勝っていたブルージェイズに対し、山本由伸投手という新たなエースの献身と、極めて…

有力だが未確定-宇宙物理学に必要な謙虚さ

ビッグバンなど、宇宙物理学の理論は現時点での有力説であって、まだ確定したものではない。宇宙物理学者は、他の説を次々に否定するのではなく、謙虚に、そして正確に「未確定である」、「まだわからない」と認める姿勢が必要であろう。宇宙の根本的な理解…

「他人事」を装うテレビ局体質

近年、SNS上でのフェイクニュースや特定の個人に対する誹謗中傷が、社会の深刻な脅威である。中でも、公的な影響力を持つNHK党の立花党首(当時)が、裏付けのない情報や悪意のある中傷を意図的に発信したことは、社会における正義と秩序を破壊する行為であ…

U-17W杯、韓国監督「ライバルより隣国」

カタールで開催されているU-17ワールドカップは、私たちに日韓関係のあり方を再考する貴重な視点を提供している。特に、大会中に聞かれた韓国代表監督の言葉は、長らく日本のスポーツメディアが築き上げてきた「宿命のライバル」という固定観念を乗り越える…

興味本位の報道とネット空間の秩序

弁護士でコメンテーターの菊間千乃氏がテレビ番組で中国総領事の発言について「言葉の選択がちょっとひどい」と述べた。この短いコメントを取り上げた記事が、ヤフーニュースのトップページに掲載された。 番組内の一言が“トップニュース”として扱われる光景…

中国の言動から考える日本の外交

日本の外交に必要なのは、論理と国際法に基づく断固とした主張を、確かな技術力(レールガンやレーザー兵器の完成など)と揺るぎない国際的な結束という「力」で裏打ちする、多角的で強靭な外交戦略であろう。

米国の「梯子外し」外交

米国のドナルド・トランプ前大統領が中国の習近平国家主席との電話会談で台湾問題について中国側の立場に「理解を示す」趣旨の発言をしたとされる報道が、日本の安全保障関係者の間で大きな波紋を広げている。これは、ウクライナ侵攻時に米国が当初は支援を…