「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」、「善は急げ」と「急がば回れ」のように、ことわざには反対の意味を持つペアが数多く存在する。このように真逆の言葉がどちらも成立している以上、ことわざを勝手に現実に当てはめることには無理がある。どちらの言葉が当てはまるかは結果論に過ぎず、ことわざを物事の正解として持ち込むのは適切ではない。
ずっと失敗が続いている人に対して、「止まない雨はない」と慰めてみても、その言葉とその人の状況には何の関係もない。もし失敗の原因がやり方の悪さにあるのなら、そこを改善しない限り、失敗はいつまでも続くことになるだろう。自然に止む雨とは違い、やり方が悪ければ、失敗はどこまでも繰り返されるのが現実である。
ことわざは、決して問題を解決してくれる魔法ではない。しかし、自分の力でなんとか状況を変えようと踏ん張る時に、折れそうな心を支える道具にはなる。その程度のものとして割り切って付き合うのが、ちょうど良いのかもしれない。